「人面犬」は、1980年代後半から1990年代にかけて話題となり、特にテレビや雑誌で広く取り上げられたことで全国的に知られるようになりました。
自分も小さい頃に都市伝説の本(当時は本当にあった怖い話的な名前だったような)のなかに「口裂け女」と共に紹介されていたのを思い出します。今で言う雑コラな写真で紹介されていましたが、子供だったので怖かった印象がありあります。
以下に、その概要や特徴についてまとめます。
1. 人面犬の概要
人面犬とは、犬の体に人間の顔がついた不気味な生物のことで、街中で突然目撃されることが多いとされます。見かけは通常の犬とほぼ変わりませんが、顔だけが人間のように見え、
不気味な笑みを浮かべているとされています。
この人面犬は、突然現れて「やめてくれ」「助けてくれ」といった人間のような言葉を発することもあると言われ、目撃した人々に強烈な印象を残します。
2. 起源と広がり
人面犬の起源は正確には不明ですが、1980年代後半の日本において、この噂は突如として現れました。
テレビ番組や雑誌が人面犬の話題を特集することで、全国的にブームが広がり、「本当に存在するのか?」という疑問とともに、さまざまな目撃談が語られるようになりました。
この話題は「口裂け女」など他の都市伝説と同様に、恐怖と不気味さを伴って急速に全国に広がりました。
3. 目撃情報と特徴
人面犬は、夜間や暗い場所で目撃されることが多く、その多くは犬の体に人間の顔があるという特徴を共通して持っています。
一部の目撃談によると、彼らは捨てられた人間の魂が犬に宿ったものであるとも言われ、霊的な存在としての解釈も存在します。
また、人面犬は「話す」という特徴を持っており、無機質な声で「放っておいてくれ」と訴えることもあるそうです。
4. 亜種
同時期に「人面魚」という、人間の顔をしている鯉が東京のとある池にいる、と書籍で紹介されていました。
こちらはモノクロでしたが普通の写真で紹介されていて、ただそういうふうに見える魚がいたのかなとも思いましたが、同時期に流行ったので人面犬の亜種として面白おかしく広まったのかなと思います。
5. 人面犬の心理的・文化的背景
人面犬のような奇妙な存在が都市伝説として広まる背景には、日本の社会文化や人々の不安が影響していると考えられます。
例えば、都市化の進展による孤独感や、人々の心の奥底に潜む不安が、こうした不気味な存在を生み出す土壌となっている可能性があります。
まとめ
人面犬は、日本の都市伝説の中でも特にインパクトの強い存在であり、その不気味さと奇妙さから人々の関心を引き続けてきました。具体的な起源は不明ですが、テレビや雑誌を通じて全国に広まり、話す犬という不自然な存在が多くの人に恐怖を与えました。現代においても、その伝説は人々の記憶に残り、時折話題に上ることがあります。
人間の顔を持つ動物、と言うと、件(くだん)と言う人間の顔を持つ牛が有名ですね。19世紀前半ごろ生まれたので、人面犬などもこの妖怪の流れをくんで生まれたのかもしれませんね。
昔から、「人間の顔をした動物」という設定は、異質なものに対する恐怖心を反映しているとも言えますね。
おすすめの書籍
都市伝説の話しを読みたいなら、日本人なら、松山ひろし氏の書籍が面白いと思います。
昔webサイト「現代奇談」を良く読んでいました。そちらのサイトは閉鎖されてしまっていますが、書籍がいくつかでているのでオススメです。
民族学的に学びたい場合は、ジャン・ハロルド・ブルンヴァン氏の書籍が面白いのですが、日本語のKindle本や、そもそも書籍も手に入り辛いのが残念。もし、興味があったら古本などで探して購入してみても面白いと思います。