基本的にはこのサイトは都市伝説が中心になるのですが、自分が体験した事とか聞いた怖い話など別ジャンルも取り上げていこうと思っています。
と言うことで、今日は自分が直接聞いた怖い話を書きます
玄関の線香
自分が小学生の時の話し。当時住んでいたマンションで自分だけ不思議な体験をしていました。その日は、夜中に大勢の人が歩く音が聞こえたので音の鳴るほうに見に行ったけれども誰もいなかった。
今は、勘違いだったのかな、と思いますが、当時は恐くて、母親に話していました。母親には相手にされなかったのですが、学校から帰ってきたときに母が仲よかった知り合いのおばさんが家に来ていて、そのことを話していました。
そのおばさんと言うのが、絵に描いたような魔女みたいな人で、自称霊が見える人でした。でも、その人は自分の話を笑わず、多分、兵隊さんがいたんだよ、と言いました。
「この辺昔野戦病院だったから、いろいろと溜まってるのよ」と言っていました。
近代的なマンションに住んではいましたが、その頃は近くに防空壕などもそのまま残っていて、そうなんだ、と思った記憶があります。
おばさんは、「私も最近不思議な事があったの」と言い、不敵に笑みを浮かべ「聞いてくれる?」と言いました。私が頷くと、笑みを浮かべたまま話をしてくれました。
おばさんの旦那さんは深夜まで仕事をして、日が変わってから帰ってくるのが当たり前だったそうです。
子供もいるのでおばさんは先に寝ていたそうです。ある日、夜中に帰ってきた旦那さんに起こされたそうです。
「おい、マンションの廊下に火のついた線香が落ちてたんだよ、気味が悪いな」
旦那さんは霊感があるわけではないので、おばさんに「何か変なのいるのか?」と冗談めかして聞いたそうです。旦那さんの手には火が消されてはいたけれども、途中まで燃えた線香がありました。
特に何もないと思うけど、とおばさんは言い、その日はそれでおしまいでした。
しかし、翌日も旦那さんは帰ってくると、「また線香落ちてるよ」と起こしたそうです。
さすがに連日落ちてるのは、と思いおばさんも外に出てみましたが、よく分からなかったそうです。
しかし、次の日も線香は落ちていました。
旦那さんの顔は少し青ざめていて、「気のせいかな、最初は二件隣の家の辺りに落ちていたんだけど、うちの方に近づいて落ちている気がする」と言いました。
おばさんも何か嫌な予感がしたそうです。次の日は旦那さんが帰ってくるまで起きてようと、子供が寝た後は、リビングでじっと待っていたそうです。
そろそろ帰ってくる頃かしら、と時計を見たときに、何かおかしいことに気付きました。
線香の臭いが家の中に漂ってきたそうです。旦那が帰ってきたのかしら、でも音はしなかったな、と玄関に向かったそうです。すると、火のついた線香が玄関に落ちていたそうです。鍵は締められたままだったそうです。
ぼう然と眺めていると、旦那さんがドアを開けて、「起きてたのか。今日はなか・・・」と言いながら燃えている線香を見て絶句したそうです。
あの時、何かいたような気もしたけれども、結局わからなかった、とおばさんは言いました。
その後、線香は落ちなくなり、特に何も異変は起きなかったそうです。
「いい?あなたの体験と同じ、本当に怖い話って、おちなんてないの。ただ通り過ぎることのが多い」
確かに、と今でも思います。
おすすめの書籍
都市伝説の話しを読みたいなら、日本人なら、松山ひろし氏の書籍が面白いと思います。
昔webサイト「現代奇談」を良く読んでいました。そちらのサイトは閉鎖されてしまっていますが、書籍がいくつかでているのでオススメです。
民族学的に学びたい場合は、ジャン・ハロルド・ブルンヴァン氏の書籍が面白いのですが、日本語のKindle本や、そもそも書籍も手に入り辛いのが残念。もし、興味があったら古本などで探して購入してみても面白いと思います。