2002年ごろに流行った都市伝説でテレビなどでも取り上げられていました。
怪人アンサー
奇妙な事件があった。
通報を受けて駆けつけた警官は、不思議な死体を見つけた。

片足が無くなっており、恐怖の顔を浮かべていた。
通報者を合わせて9人が遺体を取り囲むように佇んでいた。

恐怖に脅えている人間もいれば、何か満ち足りたような笑顔の人間もいた。
警官が通報者に何が有ったのか問いただすと、通報者は眉根を寄せながら、ゆっくりと答えた。
「信じて貰えないでしょうけれども・・・」

ここに集まったのは、SNSのホラーサークルのメンバーで、オフ会をしていたのだという。
今日は、「怪人アンサーを呼ぶ」と言う事で10人集めたという
「怪人アンサー?」
警官が怪訝そうな顔をした。
「はい・・・10台の携帯を持ち寄ってするんですけれども」

通報者は答えた。
10台の携帯を用意し、1台目から2台目、2台目から3台目、そうして10台目から1台目にかけるという。
すると、すべて話し中に鳴るはずの携帯電話が怪人アンサーに繋がると言う。
「誰かがまね事しているわけではなくて?」
「いえ・・あの、それで怪人アンサーは繋がった人間に質問をさせるんです、するとどんな事でも答えてくれるんです」

「意味が・・分からない、その、仮にその怪人が答えたとしても、この状況にはどうして?」
彼は、またゆっくりと口を開いた。
「・・・最後の電話を受けた人間にだけは怪人アンサーから質問をするのです」
彼は、横たわる遺体を一瞥する

「・・・それに答えられないと、怪人アンサーが現れて、体の一部を・・・」
そこまでで口を結んだ。
「そいつを見たの?」
警官が尋ねるが、彼は首を横に振るだけだった。

「・・私ね、この話し知ってますよ、作者もいて創作だって分かってる話しですよね?」
通報者は顔を強ばらせて口を開ける
「お巡りさん、僕らだってそんなこと知ってますよ。
でもね、かかってきたんですよ」

警官は彼の目を見た。
正直嘘かどうかは分からなかったが、血走っており異様な目だった。
「最後にお聞きしますが、じゃああなたは何を聞いて答えてもらったんですか?」
そう言うと、不気味な笑顔を浮かべこう答えた。
「答える訳ないだろう、お前も命を懸けてやって聞いてみろよ」
こちらの都市伝説は、「くねりずあいり」氏が自分が作り出した都市伝説として、発覚し非難されたりしました。
ただ、赤いクレヨンの様に出所が分かっていても、話しが変容し、作者の意思とは別に歩き始める都市伝説もあるので、こちらも同様に扱っても良いのではないかと思います。
なお、この怪人アンサーは頭だけで生まれた奇形児で、少しずつからだを奪って完全な人間になるのが目的とのこと。日本現代怪異辞典では、現在では一人でも10台もちよればできるとのことで、その場合は9つ質問し、最後の質問に答えられなければ・・・という風に変わっていると紹介しています。
流れとしては、こっくりさんやさとるくんと同じ系統になるのでしょうか。
おすすめの書籍
都市伝説を含め、日本の怪異を辞典にした本です。辞典ですが、何となく読み進めるだけでも面白い。
量が多いですが、亜種も一つとしてカウントしているので同様の怪異または都市伝説も多く、一つ一つの内容が少ないこともありますが、圧倒的な熱量で集めた怪異の数々はホラー好きならば持っておいて損はない一冊だと思います。
