「ミミズバーガー」は、都市伝説の一つで、ファーストフードチェーンが使う肉が実はミミズで作られているという噂です。この都市伝説は、主に1990年代に広がり、特に有名なハンバーガーチェーンに対してよく言われていました。
これは自分にとってタイムリーな都市伝説でした。丁度この頃、某ファーストフード店でアルバイトをしていて学校の友達に「あれだろ、あの肉ミミズなんでしょ?」なんて言われたことがありました。
ちなみに、自分は「君のバイト先は地下室で足が多い鳥さばいているんでしょ?」と茶化していました。
ミミズバーガーのストーリー
これは、友達の友達の話なんだけれども、
某ハンバーガーチェーン店で定期的にハンバーガーの半額セールが行われていた。
その子は、半額セールになるとお小遣いを手に一人ハンバーガーを大量に買って食べるのが楽しみだった。
いつものように一人で大量のハンバーガーを頬張っていると、紐のような物が葉に挟まる。何だろうと思って引き抜いてみるとミミズのような形状だった。
ぎゅっとお腹が締まる。手に持っていたハンバーガーを見てみると、やはりミンチされた肉の間に1匹だけミミズの形状のまま飛び出していたのだ。
思わず叫んで、その場で吐いてしまった。お店で食べていたので、直ぐに従業員が飛んできて、大丈夫ですか? と声をかける。
が、ミミズが飛び出したハンバーガーを見せると従業員の表情が強ばり、半ば強引にバックヤードに案内された。何が何だか分からないまま、おびえていると、店長と書いたネームプレートの男性が来て頭を下げる。
「どうか今日見たことは他言しないようにお願いできないでしょうか」と、言いながらお金の入った茶封筒を渡してきたのだ。
その子は無言のまま頷き、茶封筒を貰うと走って帰ったという。
もちろん、その子はハンバーガーを食べれなくなった。
背景
このような都市伝説が生まれた背景には、ファストフード産業に対する一般の人々の不信感や疑念があったのではないかと。2000年初頭にはさまざまな食品偽装事件なども話題になり、安価なファストフードがどのような材料で作られているのか、どのように管理されているのかについての情報が乏しいことから、疑念が膨らみ、こうした噂がどんどん広まったと考えられています。
実際に自分もファーストフードでバイトするまで知らなきゃ良かったなと思うことも多かったです。
最初に書きましたが、ハンバーガーだけでなく、某フライドチキン店でも、地下で遺伝子組み換えをした足の多い鳥を捌いているなんて荒唐無稽な話も流れてきました。
こういった都市伝説が生まれた背景には、消費者の舌が正直だった、と言うのもあると思いました。
自分がバイトしていた某ハンバーガーチェーン店は作り方のシステムを良く切り替えていて、ハンバーガーの味もちょいちょい変化していました。客から「まずくなったよね?」と言われることもちょいちょい。逆に美味しくなることもあり、チェーン店で味が変わると言うのは普通思わないだろうから余計不信感もあったと思います。
まとめ
「ミミズバーガー」は、科学的根拠のない都市伝説であり、食品に対する消費者の不安を象徴するものでした。その頃に起きた食品偽装などの事件もあり、企業の透明性や衛生管理は劇的に上がっていき、そういった都市伝説はいつしか聞かなくなってきました。
しかしながら、昨今ではSNSによる拡散もあり、異物混入などの事件がよく露見されます。また、内部事情なども拡散されやすくなり、都市伝説が生まれなくとも人々に注意喚起がダイレクトに行くようになりました。
が、それを悪用して企業をおとしめようとする人間もいたりと、都市伝説よりも渾沌としてきたようにも感じます。
大切な事は果たして何でしょうか・・・
おすすめの書籍
都市伝説の話しを読みたいなら、日本人なら、松山ひろし氏の書籍が面白いと思います。
昔webサイト「現代奇談」を良く読んでいました。そちらのサイトは閉鎖されてしまっていますが、書籍がいくつかでているのでオススメです。
民族学的に学びたい場合は、ジャン・ハロルド・ブルンヴァン氏の書籍が面白いのですが、日本語のKindle本や、そもそも書籍も手に入り辛いのが残念。もし、興味があったら古本などで探して購入してみても面白いと思います。