日本には数多くの都市伝説が存在し、その中でも特に有名なのが「口裂け女」です。
1970年代後半に全国で話題となり、学校の児童や地域の住民の間で恐怖を引き起こしました。どこからともなく現れる女性が、「私、きれい?」と問いかけてくるという不気味な話。
2000年代になっても映画などの題材となり、今なお語り継がれている。
そもそも、口裂け女とは?
口裂け女は、見た目が非常に印象的な女性です。長い黒髪にマスクをしているという特徴を持っており、マスクを外すとその下には口が耳まで裂けた異様な姿が現れます。彼女は通りすがりの人、特に子供に対して「私、きれい?」と訊ねてきます。
もし、「きれい」と答えると、マスクを外してその裂けた口を見せ、さらに「これでも?」と聞いてきます。この質問に対して何と答えても、最終的にはナイフやハサミで襲われるという恐ろしい結末が待っているとされました。
ただ、地域によっては、「きれい」とも「みにくい」ともとれない「どちらでもない」を言うと助かる、「きれい」と言い続ければ助かる、などの噂もあったりしました。
起源
70年代に岐阜市で発生したともいわれていますが、その起源についてははっきりとしたものはありません。その女性は、事故が原因でこんな酷い見た目になったことで世の中を恨み、幽霊としてさまよいながら、他の人間に復讐をするようになったと伝えられています。
また、1970年代に入ってからは、学校の子供たちの間でこの話が急速に広まったとされています。当時の社会背景や不安感が、このような都市伝説の流行に拍車をかけたのではないかとも言われています。
恐怖の拡散
口裂け女の都市伝説は、1970年代末に日本全国で大騒ぎとなり、子供たちの間では「口裂け女に会わないための対策」が真剣に語られるようになりました。例えば、「ポマード」という言葉を口裂け女に言えば、彼女がその言葉を嫌がって逃げるという対策が有名です。この「ポマード対策」は、当時の大人たちが子供たちを落ち着かせるために考え出したものとも言われています。
また、100メートルを6秒とかなりの高速で走るとされています。が、このスピードは、あるとき目撃されたといわれる地点から翌日遠く離れた地域で目撃されたことを計算するとそのスピードが出ないと無理だと言う説がありました。
時速60キロ。電車などに乗ったり、そもそも次元を超えて移動したりするなら、意味のない計算とも言える。車を運転している可能性だってありますからね。
口裂け女が示すメッセージ
個人的に怪談や都市伝説は教訓に近いものがあると思っている。70年代、80年代はメディアが台頭してきてテレビなどが伝えるニュースを老若男女得ることができるようになってきた時代。誘拐事件なども多く、子供たちが『知らない大人に話しかけられても逃げるように』ということを口裂け女を使って伝えたのではないかなと考えています。
おすすめの書籍
都市伝説の話しを読みたいなら、日本人なら、松山ひろし氏の書籍が面白いと思います。
昔webサイト「現代奇談」を良く読んでいました。そちらのサイトは閉鎖されてしまっていますが、書籍がいくつかでているのでオススメです。
民族学的に学びたい場合は、ジャン・ハロルド・ブルンヴァン氏の書籍が面白いのですが、日本語のKindle本や、そもそも書籍も手に入り辛いのが残念。もし、興味があったら古本などで探して購入してみても面白いと思います。