自分がこの話を始めて聞いたのは、テレビだったような気がします。番組は覚えていなくて、真夏の恐怖体験みたいなので紹介していました。
良く知られている話しとは少しアレンジされたものを紹介します。
カーナビが案内した先は・・・
これは友達の友達から聞いた話し。
若いカップルが夜のドライブを楽しんでいる。中古の車で新しい型だがかなり安く買えたと、男性は嬉しそうに女性に話していた。今日は納車して、初めて彼女を乗せてのドライブだった。
「何で安かったんだろう? 事故車とか?」と彼女は聞いた。
「いや、自分も聞いたんだけれども、事故車ではないって、その中古車屋も知り合いから安く買ったんだけれども詳しい話しは聞いていないって」男性は首をかしげる「でも整備もしっかりしているし、パーツとかも特におかしい場所もないし、修理跡もないってさ」
「ふぅん・・・ねぇ、こんなの知ってる? いわく付きの車を買ったらカーナビが案内したのが崖のそばで、ギリギリ車は止まるの、そしたらナビが『もう少しだったのに』と言うやつ」
男性は笑った。「好きだね、そういうの。じゃあ暗い夜道でも行ってみるか」とわざと郊外の森の方へ車を走らせた。
特にナビを設定していなかった。もちろん、その間変な音声も流れる事はなかった。
「まぁ、そうだよな」と男性は呟きながら、ナビを自宅に設定した。
暫く走っていると、女性が声を上げた「ねぇ、何かナビ変なところ指してるよ」
「えっ、自宅のボタン押したはずだけど」男性もナビを覗くと確かに自宅とは全然違う所になっている「設定間違えたのかな」
「違うよ、これ、自宅じゃなくて、自分て書いてある」
流石に不気味になって、二人は暫く言葉を無くしていた。車は止まる事無く進む。
「ねぇ、行ってみようよ。近いし、崖なんてこの辺ないし」言い出したのは彼女の方だ。「車から降りなければ大丈夫でしょ」
男性は気乗りしなかったが、怖がりだと思われるのもしゃくだったので、頷いてナビの目的地へと車を走らせた。
行きには分からなかったY字路が森の中にあり、ナビは来た道とは別の道を案内した。
二人の緊張が高まる。
舗装がなくなり、砂利道を少し進んだところでナビの目的地へ来た。少し開けた場所だったが、特に何もないように思えた。
「何もないな、切り返す」そういって男性はゆっくりと慎重に車を回転させた。すると女性が「まだ案内は終わってないね、普通来ると終わるのに」
車の向きを変え、男性がナビを再び自宅に設定し直そうとしたとき、女性が短い悲鳴を上げた。震えながら何かを指さししている。男性が示した先を見ると、ヘッドライトで浮かび上がる朽ち果てた遺体がそこにはあったのだ。
「案内を終了します」
ナビから流れた音声だけが暗い森の中に響いた。
まとめ
元の話は途中で女性が言っていた、危ない道を案内されて間一髪で止まると、ナビが悪態をつくと言うものです。
ナビって比較的最近の話しだよな、と調べたところ、
音声ルート案内付きのカーナビは、1992年にトヨタの「セルシオ」に搭載された「ボイスナビゲーションシステム」が最初だそうで、この手の話しは、それ以降に発生した都市伝説と言えるでしょう。
最初の頃は今ほど精度も良くなく、おそらく変な道を案内されることなどもあり、そういうことも都市伝説が生まれた背景なんじゃないかなと思います。案内を信用しすぎるな、と言うことでしょうか。まぁ、今でも某無料マップの案内を使うと、こんなの通れんだろう、と思う修羅の道を案内されたりしますけどね。
自動運転技術も進むようになったので、ナビではなくて自動運転で危ない目、もしくは変なところに案内される都市伝説が生まれそうですよね。いや、もうあるのかな
おすすめの書籍
都市伝説の話しを読みたいなら、日本人なら、松山ひろし氏の書籍が面白いと思います。
昔webサイト「現代奇談」を良く読んでいました。そちらのサイトは閉鎖されてしまっていますが、書籍がいくつかでているのでオススメです。
民族学的に学びたい場合は、ジャン・ハロルド・ブルンヴァン氏の書籍が面白いのですが、日本語のKindle本や、そもそも書籍も手に入り辛いのが残念。もし、興味があったら古本などで探して購入してみても面白いと思います。